メキシコ湾の海藻を食べる

メキシコ湾南岸にて、海藻の食品としての利用を目指して、子供の自由研究みたいなことをしている記録。Algas de la costa yucateca

あと2、3週間で水が完全に透明になると思われる。それに合わせて赤潮以前は普通にいた種類が戻ってくるか、どうか…

FuvxyH3WcAwocDmサルガソ

以前は先っぽだけが何とか流れ着いた…みたいな切れ端しかなかったが、がっつりしたのがいた。先のほうに新しく出たのか(古くなったのかも) と思われる白っぽい細い部分もついている。

例年、今頃からだんだん水が澄んできて、セマナサンタ明けから我が海になる。が、人が増えすぎて好きなように「ここの人が気持ち悪がる」海藻採集ができるか。。。

DSC_0002地元のガイジンが「今年は去年以上にサルガソが!」と騒いでいるが、去年並みかそれ以上と危惧されているのはカリブ海沿岸だけ。メキシコ湾内に流れ混んでいるのはほんの少し(毎年少しはある)で例年と変わらず。今、海岸線に打ち上がっているのはアカントボラ。これもいつものこと。こいつが減ると、他の海藻が育ってくるし水が澄んで採りやすくなる。

DSC_00051年ぶりか?のトサカノリのサラダ。かろうじてこの1本だけ見つけることができた。根じゃなくて名前は分からないが砂地につくところもあった。

北米を襲った寒波で、波打ち際にサルガソがたくさん打ち上げられているというので見てきた。


DSC_0009DSC_0012 こんな感じ。ところによっては砂浜が覆い尽くされるくらいらしい。





DSC_0007正体は、アカントポラ。これは通年でいるので、強風で打ち上げられても何も問題ない。…どころか、沖の海底で赤潮の影響が消えて海藻が正常に育っている、あるいは生き延びていると思えば、いいことのように思える。



DSC_0011中にはミルも。






DSC_0006DSC_0005アカントポラがあるところより陸側には、ラグーンのアマモがたくさん。これも、ラグーンの環境が正常に戻って強風の影響で流されてきただけと思えば、いいことだ。


DSC_0012懸念ごとは、海岸侵食。少し砂が増えた気もするが打ち上がっている場所が陸寄りで、 単に波が高かったのだと思いたい。






来年こそ、食用研究が進みますように。 

赤潮以来の海。今年の海藻研究は全然進まなかった。来年の夏に期待。

DSC_0003DSC_0006 赤潮の影響はない。水の色はいつもの冬と変わらない。 





DSC_0007 トサカノリの切れ端一片以外は、古くなってドロドロな茶緑色の小さい屑を含んだ水の層というか帯が波打ち際にある程度。その帯もこれまでの冬と違う。去年はもう少し日の浅い欠片の帯だったので、海藻そのものにも色々影響があったのだと思われる。



ここの海藻にまったく関係ないが、メリダのアジア食料品店の海藻ラインアップが増えていた。昆布、わかめ、サラダ用、ひじきなど。もちろん全部乾物。




カナダからの友達がユカタンに来て、ダルスという海藻を買ってきてくれたので、とりあえず書いておく。というのは、このダルスが、メキシコ湾の海藻の食用を実験するきっかけとなったからだ。

海の近くに住んでいるといっても、ただの白い砂浜が続くビーチなんで泳いだりボケーっとしたりするだけで、一昨年までは何か獲る/採るという感覚がとんとなかった。ここは漁村なのでもちろん沿海・沖合漁業はあるが、 釣りができるような桟橋は10キロほど先だし、実は我々は江戸前寿司が好きなだけであまり魚を食べない。

ある日ベーコンについて調べていて、カナダで「炒めるとベーコンの味がする海藻」 が売られているという情報に出会った。北大西洋の海藻だという。そこから、この研究&実験が始まった。

で、そのダルス、dulse という。ちなみに紅藻。

_20221027_071252こんなの。袋には、「そのまま/リンゴと一緒に/スープに入れて/塩がわりにパスタに入れて/オーブンで焼くとチップスになる…と書いてある。とりあえず齧ると、海苔みたいで、旨味が強烈。海苔より、なんというか、お菓子っぽくて子供が好きそうな味。図鑑で見ると結構肉厚そうだったが、商品は薄くてペラペラで脆そうな、この写真くらいのサイズの乾燥した断片がガサッと固まって入っていた。

最近日本でも売ってるそうで、いくつかのページも見つかる。シャキシャキ…と書いてあるが、このカナダ産のは水で戻してもまったくシャキシャキ感はない。水揚げ時の処理(乾燥とか?)の違いか。

まぁ、とにかくここでは採れないんで、普通の食べもののお土産として楽しませてもらう。ところで旨味が多い海藻ってのは、冷たい海にしかないんだろうか。 

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